営業として誠意を見せたつもりが失敗した話

当時業務用のコンピューターの販売と販売後のフォローをする仕事をしていました。
営業方法は商談を取って来る営業メインの担当と、クロージングと販売後のフォローをする担当で別れておりました。商談を取って来る営業は細かい話はせず概略を説明してもっと詳しい担当者という名目でクロージング担当に引き継ぐといった形。私はそのクロージングと販売後のフォローの担当でした。
ある会社にアポが取れたので行って欲しいと依頼されその会社に訪問。商談は驚くほどスムーズに行き契約成立。最初のアポ取りの担当営業が結構話を進めていてくれたのだと思っていました。
納品後6ヶ月でそのコンピューターに故障が発生。契約の中に保守契約は含まれておらず、都度費用が発生するという内容でした。

しかしそれを顧客に伝えると大激怒し「そんな話は聞いていない、保守契約しなくてもよほどじゃない限りは無償で修理できると聞いている」と言ってきました。
最初に商談アポをとった営業はアポが欲しいが為に嘘を言っていたのです。しかし、その担当はそんな事言っていないと言い張る始末。後から聞くとその担当が取って来た案件でそのようなトラブルが何度があったそうでした。
挙句、その担当営業は私の説明不足だと言ってきました。どうしようもなくなりとりあえず私は顧客に謝りに行こうとしますがなかなか取り合って貰えず。しかし他の業務もあるのでそちらにばかり力を注ぐわけにもいきません。
なんとか話をしようと私は休日にその会社を訪れました。するとそこの社長さんはすんなりと面談を受け入れてくれました。電話での激怒とは違って穏やかな対応。

しかし別の事で私に諭すように話してくれました。
「会社と言うのは経営者が舵を取るもの、社員が自分の意思で休みの日に訪問したという事実を上司が知らないのであればそれは組織として間違っている。君の誠意は有難いが会社としては間違った行動だよ」と。
激怒した理由は、嘘をついた本人やその上司が何も言ってこなかった事。関係ない社員にトラブルを押し付ける会社の体勢に怒っているのでした。その社長は大手の会社の部長にまでなった人なので組織の重要さは十分に理解している人です。
私は誠意を見せればなんとかなるという安直な考えだった事を恥ずかしく思いました。今後は企業対企業の取引きという事をしっかり頭に入れて業務に取り組もうと思いました。

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